PORSCHE 911 Targa 1971

ポルシェ 911 タルガ 1971

熱狂的なポルシェファンに敬意を込め「ポルシェ・パラノイア」と呼ぶことがある。直訳すると「ポルシェ偏執狂」となるが、それだけ歴史、メカニズム、スタイリングは唯一無比であり、車に詳しくない人でも一目でわかる車というのもそう多くはないだろう。
そんなポルシェの一大ヒットモデルが1963年のフランクフルトモーターショーでデビューする。それがポルシェ911である。当初は901を名乗っていたが、プジョー社に対する権利侵害を避けるため、911に改名。その後911は幾度となくモデルチェンジを経て、現代に至るまで、そのアイデンティティを保持し続けている。

911のモデル変遷の中にあって、特に「ナローポルシェ」と呼ばれるモデルはパラノイア諸兄からの人気はとても高い。1963年から1973年までに生産された初期のモデルであるが、その後のモデルとの大きな違いは「ナロー=狭い、細い」という意味合いの通り、フロントからリアに至るまで車幅は細身でスッキリした印象である。ポルシェ911ターボ、いわゆる俗称930ターボと比較するとリアのトレッド幅の違いは一目瞭然だ。

930にはマッスル感があるのに対してナローポルシェは控え目、乗用車然とした趣であり、知性的な雰囲気を漂わさせる。
水平対向6気筒、空冷方式、リアエンジン。ポルシェはこの形式にこだわり、なんと1998年までそれは踏襲された。大量のエンジンオイルを要する空冷エンジンのサウンドは独特であり、乾いた少し大きめのサウンドを奏でる。車好きはこのサウンドを遠くに聞くだけで、「ポルシェだ」と判別出来るはずだ。
今も昔もポルシェにとって最大のマーケットは北米市場。1967年、米国ファンのニーズに応えるため、ポルシェは「タルガトップモデル」(Bピラーを残しルーフトップのみはずすハーフトップ)を導入する。米国の安全基準は当時世界一厳しいものだったが、万一の横転時には、固定式バーによって乗員を保護、ビッグバンパーを装着するなどして対応する。
タルガはシチリアで開催された有名な公道レース”タルガ・フローリオ”でが(1966年から1970年まで大会5連覇を飾った)ネーミングの由来である。

by Hiroshi Tanaka